本日は、東京五美術大学管弦楽団(通称:五美管)の45周年記念演奏会にお越しいただき、誠にありがとうございます。当団は、美術大学生を中心に音楽を愛する仲間が集い、これまで多くの方々に支えられながら活動を続けてまいりました。この節目の年を迎えることができたのも、歴代の団員、指導者の先生方、そしていつも温かく見守り応援してくださる皆さまのお力添えがあったからこそと深く感謝しております。
本日の演奏会では、これまでの45年に思いを馳せつつ、私たちの今を全力で表現する演奏をお届けしたいと考えております。一音一音に心を込め、感謝の気持ちを音楽に乗せてお届けできれば幸いです。
これからも、私たちは音楽の楽しさや感動を共有し続ける団体でありたいと考えています。どうぞ今後とも東京五美術大学管弦楽団をよろしくお願いいたします。本日は最後までごゆっくりお楽しみください。
皆様本日は、諸々ご多忙の中『東京五美術大学管弦楽団創立45周年記念演奏会』に足をお運びいただき、誠にありがとうございます。振り返れば5年前、奇しくも令和時代の始まりと共に、新時代の幕開けの喜びと期待に胸躍らせて創立以来初となる卒業生による「東京五美術大学管弦楽団創立40周年記念演奏会」が開催されました。
新たな活動のステージの広がりが見えた矢先、その後の5年間は決して安寧とは言えない世情がその希望と創作に灰色の影を落とす様を目の当たりにすることになりました。しかし同時に困難に立ち向かい、芸術表現の灯火を絶やさぬよう奮闘する芸術家達の純粋高潔な精神も垣間見れました。それは五美管の長い歴史においても常に順風満帆ではなく、各代それぞれに立ちはだかる困難を乗り越え、ひたすらに美を求め続ける想いと変わらないでしょう。音が鳴って完成する音楽という再現芸術は、演奏者によって都度新たに生み出される生命と言えましょう。そして“五美管”という再現芸術が世代を超えて、新たに生まれ続けることを願って止みません。
45周年おめでとうございます。
ついこの前40周年だと思っていたら、もう5年も経ち、当時1年生だった方も卒業して(例外を除く)今は全く新しい方々でオーケストラが構成されているということになりますね。
この時間の中で楽器に慣れ、周りの人と交流し、曲を作り上げて、苦労しつつも演奏会を催すという、楽しく大変で充実した日々を送っているのだと思います。そんな皆様のひたむきな努力の成果に涙を流しつつ(?)聞かせていただきたいと思います。
本日は「東京五美術大学管弦楽団創立45周年記念演奏会」にお越しくださり、誠にありがとうございます。
1979年、主に西東京に点在する美術大学の、オーケストラ音楽を愛好する有志の学生さんたちが連絡を取り合い創立された五美管は、各大学の学生同士によるインターカレッジの楽団として非常に画期的なものでした。単独の大学の有志だけではオーケストラの体裁をとれる人数が足りず、苦肉の策として近隣の他の美大の学生に声がけしたのが実情であったと伝え聞いていますが、その後、半世紀近くも続く楽団の礎となる結成に携わった方々のご苦労と功績に対し、この場をお借りして改めて賞賛と感謝を申し上げます。
1985年頃の私個人と五美管と偶然の出会いに端を発する、五美管と私たちクラシック音楽の専門家とのコラボレーションは、単なる同好会という枠に留まらず、楽器初心者を含むアマチュア楽団でありながら、団員それぞれの演奏レベルの向上と可能な限りの表現を追求し、聴衆と団員の大きな感動の共有を伴う、考え得る最上の演奏会を積み重ね、団が長く続く原動力にもなったのは確かと思われます。それと同時に、時に私たちの過大とも思える要求にも真摯に向き合い、本業の美術とも通底する表現意欲を強く示していただいた歴代の団員の皆様を、深く尊敬しております。創造の時空を共に長く過ごさせていただき、互いに信頼関係を築いて来られたこと、また共に研鑽を重ねることで得られた友情を、卒団された方々同士のみならず、私たちとも長く保ち続けていただけていることに、この上ない幸運と幸福を感じております。そして学生時代の課外活動に深いご理解とご支援をくださった歴代のご父兄様方、またオールカマーでもあるOBOG管弦楽団を通じて私たちの音楽の作り方にご賛同いただき、今回ご参加くださる五美管OBOG以外の方々に、改めて深く御礼申し上げます。
さて、現役生中心による第1部のメインであるショスタコーヴィチの交響曲第9番は、総じて演奏技術的にもそれほど楽とは言えず、また作曲者の著作権がまだ存続しているという金銭的デメリットもありましたが、現在の五美管の楽器編成におおむねマッチし、演奏時間が交響曲としては比較的短く、技術的挑戦で身に付くものも小さくないと考えられるため、五美管の幹部さんたちの同意の上で選びました。米ソ冷戦時代には、ショスタコーヴィチはソ連の御用作曲家という不名誉なレッテルを貼られがちでしたが、近年その研究が進み、スターリン独裁政権下で苦悩に満ちた創作を続け、抑圧への抵抗意思を示す数々のメッセージを忍ばせていたことが解読されてきた彼の音楽は、愚かな歴史を繰り返しているように見える昨今の不穏な世界情勢にあって、改めてその価値が大きく見直されており、未来を担う若い人たちにも、もっと知っていただきたい作曲家です。また1曲目にお届けする、帝政ロシア時代の作曲家・チャイコフスキーの【スラヴ行進曲】と併せてお聴きいただくことで、時代の大きな変遷も感じ取っていただければと存じます。
OBOG中心となる第2部では、ショスタコーヴィチの故郷レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)近郊と国境を接したフィンランドの代表的作曲家・シベリウスの【カレリア組曲】と交響曲第2番は、現役時代に両方あるいはどちらかを経験されたOBOGの方々も少なからずおられ、人生経験を積んだ大人の円熟味が加わった演奏になることでしょう。若者たちによる第1部のシベリウスの小品2曲も含めて、トータルでお楽しみいただければ幸いです。
東京五美術大学管弦楽団と、同OBOG管弦楽団が共に素晴らしい楽団として、これからも少しずつ挑戦と冒険をしつつ、末長く発展していくことを心から願っております。